『FF5』エンカウント処理の考察と活用
0. 目次
1. はじめに
2. エンカウントの判定
3. エンカウントパターン
4. エンカウント回避
5. 歩数のカウント
6. 歩きかた
7. おわりに
1. はじめに
ここでは、『FF5』のエンカウント(いわゆる「ザコ戦」)に関して、
私が調べた情報をまとめています。
調査は主にSFC版で行い、一部、GBA版で行っています。
PS版は未調査のため、ここに記載した内容が通用しない恐れがあります。
これらの調査を行うにあたっては、
・遠藤慎悟さんのwebサイト 『Index of /~s-endo/』
・cheapさんのwebサイト 『cheapなゲーム攻略情報』
・2ch FFバイナリスレの方々のwiki 『ffbin @Wiki』
に記載されている情報が大変参考になりました。
ここにお礼申し上げます。
このページの主題は、上記サイトに記載されている情報と、
実機でのプレイを元にエンカウントの仕組みを探り、
RTA(リアルタイムアタック)での活用法を模索することです。
2. エンカウントの判定に関する所感
前章の各サイトに記載されていた情報と、
実際にプレイして確認した事例を踏まえると、エンカウントの判定は
次のような流れになっていると推測します。
・「出現する敵判定」と「出現場所の判定」には "乱数" が関わる。
乱数の値は、乱数テーブルから取得した "固定値" になる。
"固定値" はプログラム側であらかじめ決められた数値で、
プレイヤーが数値を変更することはできない。
・乱数テーブルのどこから「固定値」を取得するかは、
「ニューゲーム / セーブデータ」でゲーム本編をはじめた時に決まる、
"乱数テーブルの初期位置" (どこから順に数値を使っていくか)に基づく。
(「3.0項」で後述)
・乱数テーブルの「初期位置」は、データ選択画面で入力を行った
タイミング(フレーム)で変化するので、プレイヤーがタイミングを変えれば、
エンカウントのパターン(出現する敵/出現場所)に干渉できる。
・"出現する敵" の判定では、判定用に取得した「乱数」の値に応じ、
4種類のいずれかに決定される。
(フィールドはエリアごと&地形ごとに4種類、ダンジョンはフロアごとに4種類の
敵パーティが設定されており、決定された番号の敵パーティが出現する)
・歩くことでエンカウントが発生する場面では、
歩くことによって、エンカウント値(通称「危険度」)が上昇する。
・危険度の上昇量は「マップのエンカウント率」と「踏んだ地点の地形」で変わる。
上昇量は常に一定で、キャラを歩かせたタイミング(フレーム)等では変化しない。
(上昇量は 平地・森・砂漠 > ダンジョン > 海・狭間のラストフロア)
・"出現する場所"(エンカウントの発生)の判定は、
「危険度」と判定用に取得した「乱数」の値を比較して行われる。
・フィールド/ダンジョンで特定の操作(マップチェンジなど)を行うと、
敵の出現する場所を、後ろにずらすことができる。
(便宜上これを「エンカウント回避」と呼ぶ。「4.0」項で後述)
・何歩ぶん後ろにずれるかは "操作を行った時の状況"(エンカウントまでの歩数)
によって、微妙に変化する(「4.4」項で後述)。
・ずれる量が操作時の状況で変わる=次のエンカウント位置が固定ではない
ということは、操作を行った時点の「危険度」に応じて、
テーブルから取得した「乱数」の値を変化させていると思われる。
(「4.4」項に検証例を記載しているが法則性は不明)
・マップチェンジなどで「エンカウント回避」をした場合、
"次に出現する敵パーティ" は変化しない。
"敵の出現場所" は状況によって変化するが、変化にランダム性はないので、
同じ状況で「エンカウント回避」をするようにすれば、敵の出現位置を
コントロールできる(これを利用し、作戦の便宜を図るのが調整の真髄)。
私はこのように解釈していますが、プログラミングの知識が乏しいので、
実際の動作とずれたことを書いているかもしれません。
前章に記載した各サイトさんでは、専門的な解析・解説がされていますので、
そちらを見たほうが、正確な知識がつくと思います。
3. エンカウントパターン
3.1 パターンが決定されるタイミング
エンカウントのパターン(出現する敵/出現場所)は
乱数テーブルの「初期位置」(どこから順に数値を使っていくか)で
変わるので "パターンが決まる" という表現は、語弊があるかもしれません。
しかし「乱数テーブルの~」と書くのもわかりづらいので、以降は
「パターン」という表現で書いていきます。
エンカウントのパターンは、「セーブデータ」「ニューゲーム」それぞれで
ゲーム本編をはじめた時に決定されます。
3.2 「セーブデータ」から始める場合
「セーブデータ」で始める場合、エンカウントのパターンは固定ではなく、
データ選択画面 (データを選ぶ → ゲーム開始に同意) で、変化します。
タイトル画面では変化しません。
パターンがデータ選択画面で変化すると判断したのは、
データを選ぶタイミングを変えるとパターンが変化し、
タイミングを合わせると、パターンを再現できたためです。
手動でも、ボタン連打をした時に出るパターンなら、ある程度は狙えます。
そのためSFC版でも、GBA版の "ムーバー狩り" のようなことが
できるかもしれません。
3.3 「ニューゲーム」から始める場合
「ニューゲーム」で始める場合、パターンは固定されています。
位置や編成を見た所、GBA版で「ちゅうだん」から再開した時と同じです。
パターンが固定されていると判断したのは、データ選択画面で
「ニューゲーム」を選ぶタイミングを変えても、パターンが変化しなかったためです。
2009年4月5日 に行ったRTAでは、途中でセーブロードをしないので、
「セーブデータ」から再開することはありません。
「ニューゲーム」で始め、予定に沿って歩き、そのままクリアしました。
RTA用に立てた作戦ではリセットが必要な場面がないので、
「セーブデータ」から再開してパターンを調整する研究はしていません。
そのため "セーブロードを挟んで小刻みにパターンを調整する" ほうが、
エンカウントの都合がいい可能性もあります。
「エンカウントの調整」は、次章で触れる「エンカウント回避」を含め、
無数のルートが考えられます。
その意味では、RTA用に組んだ現状の「歩きかた」も完璧なものではなく、
まだまだ改善の余地があると思います。
4. エンカウント回避について
4.1 エンカウント回避に使うアクション
歩くことでザコ敵とのエンカウントが発生するマップでは、
次のような方法で、エンカウントを回避できます。
【フィールド】
・Yボタンの世界地図を開閉する
・Xボタンのメニューを開閉する
・マップチェンジする
【ダンジョン】
・マップチェンジする
・イベントバトルをする
やり方は単純で、エンカウントが発生する直前に、
上記のアクションを起こすことです。
そうすると、エンカウントの発生する位置が "後ろにずれ"、
次にエンカウントする位置まで、歩けるようになります。
次のエンカウント前に同じことをすれば更に歩けるので、
これを繰り返せば、エンカウントを大幅に減らせます。
4.2 世界地図/メニューの開閉による回避
フィールド(ワールドマップ)では、世界地図/メニュー画面の開閉で
エンカウントを回避できます。
「世界地図の開閉」は画面の切替が遅く、1回あたり約2秒かかります。
後述の「メニュー開閉」の方が短時間でできる上、
地図は入手時にメッセージ表示で待たされる為、RTAには不向きです。
「メニュー開閉」は1回あたり約1秒かかります。
「世界地図の開閉」と得られる結果は同じなので、
フィールドでは「メニュー開閉」が調整の主力になります。
普通にエンカウントが発生して『とんずら』で逃走した場合、
戦闘前後の暗転等を含めると1回あたり 約6秒 かかります。
「メニュー開閉」で1戦減らすと 約5秒 タイムが縮むことになるので、
トータルでは相当な短縮効果です。
4.3 マップチェンジ/イベントバトルによる回避
ここでいう「マップチェンジ」には、
・フィールドで町や洞窟に入る
・ダンジョンで別のフロアに移動する
・イベントで場面が別のフロアに切り替わる
(例:洞窟で海賊船を目撃、海で海賊が操舵を提案する等)
が該当します。
フィールドの場合は「メニュー開閉」でエンカウントを回避できるため、
マップチェンジはあまり意識しません。
ダンジョンの場合は「世界地図/メニュー開閉」に効果がなく、
エンカウントを回避できないので、マップチェンジは極めて重要です。
詳しくは次項で説明していますが、エンカウントが発生するまでに
だいぶ歩ける状況では、「マップチェンジ」や「メニュー開閉」をしても
エンカウントの位置がずれません。
そのためダンジョンでは、最短ルートを通るより
"余分に歩く" ほうが、エンカウントを減らせる場合があります。
また広いフロアでは、目的地へ着く前にエンカウントしてしまうので、
「小部屋」に避難したり、前の階に戻ったりといった調整も重要です。
「イベントバトル」は、主にボス戦です。
マスを踏んで発生する場合、キャラと話して発生する場合の
2つがありますが、どちらも調整に使えます。
2009年4月5日 に行ったRTAでは、ダンジョンのエンカウント調整は
「マップチェンジ」を中心に考えており、イベントバトルの直前で
"余分に歩く" ことはしませんでした。
ただし、ボスの手前でエンカウントしないよう意図的に
「マップチェンジ」のタイミングを調整した場面もあるので、
エンカウント直前に、イベントバトルを行った場面もありそうです。
4.4 エンカウント位置のずれ方 検証例
「メニュー開閉」や「マップチェンジ」でエンカウントを避けるのは
非常に簡単ですが、RTAでやる場合、注意点があります。
それはこれらの操作を行った "状況" が 1歩 変わるだけで、
次にエンカウントする位置が大幅にずれるケースがあることです。
例として、次のような検証を行ってみました。
---
●検証環境
・SFC版の「ニューゲーム」直後(エンカウントパターンが初期状態)で
検証したかったが、SFC版では「データロード」をしてもパターンが
初期状態に戻らないので、検証環境を作ることができない。
・そのため、GBA版で「ちゅうだん」し、パターンを初期状態に戻して検証した。
エンカウント位置のずれ方はSFC版と一緒なので問題なし。
・検証は「ちゅうだん」から再開した直後のフィールド(第3世界)で行い、
1. 普通に歩き、2戦した場合のエンカウント位置
2. 1戦目の前に一度メニュー開閉し、それから2戦した場合のエンカウント位置
を調査・比較する。
2に関しては、メニュー開閉の位置(何歩歩いた状態か)を数パターン検証する。
●実験結果
・「普通に歩いた」場合、エンカウントが発生するのは
34歩 → 23歩 → 30歩(これは3戦目)という結果となった。
・「メニュー開閉を挟む」場合、次のような結果となった。
【開く位置】 【閉じる~1戦目までの歩数】 【1戦後~2戦目までの歩数】
a. 1歩 + 33歩 (=34歩) 23歩
b. 11歩 + 23歩 (=34歩) 23歩
c. 12歩 + 25歩 (=37歩) 20歩
d. 32歩 + 23歩 (=37歩) 20歩
e. 33歩 + 24歩 (=57歩) 30歩
---
4.5 エンカウント位置のずれ方 考察
ここでは、前項の検証結果を考察していきます。
まず、「a / b」 で1戦目が起きるのは、メニュー前後を足した 34歩 です。
また1戦目のあと、2戦目が起きるのは 23歩 で、
メニュー開閉をせず普通に歩いた場合と、エンカウントの位置は完全に同じです。
エンカウント発生までにかなり歩ける状況下では、「メニュー開閉」などの操作を行っても
エンカウントの位置は変化しない(=やる意味がない)、と言えると思います。
次に、「c / d」 で1戦目が起きるのは、メニュー前後を足した 37歩 です。
また1戦目のあと、2戦目が起きるのは 20歩 です。
このケースだと、1戦目の発生が 3歩 後ろにずれましたが、
2戦目の発生が 3歩 前だおしになっています。
上記は 3歩増減 ですが、これは1-2戦目だからこうなっただけで、
検証条件を変えれば 2歩増減 や 4歩増減 も起こります。
このケースで怖いのは、「メニュー開閉」をするときの歩数が
11歩 から 12歩 になっただけで、1戦目の位置が 3歩 も変化したことです。
こうなると、フィールドで1歩 "数え間違えた" だけで、
本来よけるはずのエンカウントを、踏んでしまうかもしれません。
最後に、「e」 で1戦目が起きるのは、メニュー前後を足した 57歩 です。
また1戦目のあと、2戦目が起きるのは 30歩 です。
この 57歩 という数字は、普通に歩いた場合に1戦目が発生する 34歩 に、
2戦目の 23歩 が加算されたものです。
(「e」で2戦目が発生する30歩は、普通に歩いた場合の3戦目と一致)
戦闘回数を増やし、いくつかの条件下で検証しましたが、
エンカウントの 1歩前 で「メニュー開閉」や「マップチェンジ」をすると、
次のエンカウントが発生するまでの歩数(1歩)に、
その次のエンカウントが発生する歩数(?歩)が加算され、
エンカウントの位置を大きくずらせるようです。
「c / d」のように、エンカウントの位置がわずかにずれるだけだと
「メニュー開閉」の頻度が増えてしまいます。
1歩前 でやれば、位置が大きくずれて長い距離を歩けるようにもなるので、
ダンジョンの「マップチェンジ」時もそれは重要です。
ただし「メニュー開閉」を 1歩前 でやる場合、数えミスは厳禁です。
「メニュー開閉」をする歩数が 33歩 なら「e」になりますが、
32歩だと「d」になってしまうので、数えミスがエンカウントに直結します。
通常プレイであれば、エンカウントの回数が増えても、全く問題ありません。
しかしRTAでは、レベル上げに適したモンスターや、必要な青魔法を使うモンスターと
"すぐに" 戦えないと、好タイムが望めません。
そのためには、しっかり「歩きかた」を決め、それを守る必要があります。
エンカウントの仕組みを調べ出した当初は、同じように歩いているつもりなのに
エンカウントの位置がずれ、原因がまったくわからない、という状態でした。
はじめのうちは、「予定が立てるどころではなかった」訳です。
その原因は、「歩数がカウントされないマス」の存在にありました。
次章では、「歩きかた」を練るために必要な「歩数のカウント」を説明します。
5. 歩数のカウント
5.1 「歩数」で考える
エンカウントの発生は「危険度」と「乱数」で判定しているようなので、
プログラムに「歩数」の概念はないかもしれません。
ただし実際にプレイする場合、「危険度」は画面に表示されないので、
「歩数」でエンカウントを管理するのが現実的です。
これ以降、危険度が上昇する/しない局面を
「歩数がカウントされる/されない」と表現し、様々なケースを記載します。
5.2 歩数がカウントされる場所
歩くことで敵とのエンカウントが発生する場所(フィールド/ダンジョン)では、
当然の如く、歩数がカウントされます。
では逆に、歩いても敵とのエンカウントが発生しない場所では
歩数がカウントされないかというと、例外があります。
次の場面では、敵とのエンカウントは発生しませんが、歩数はカウントされます。
・第1世界 海賊のアジト到達前 フィールド(自キャラがチョコボの時期)
・第1世界 火力船クリア前 カルナック城 1F・B1F・B2F・B3F
・第2世界 ムーアの大森林が炎上中 ムーアの大森林 第3区域
・第3世界 古代図書館到達前 各フィールド・各ダンジョン
どうやら、「普段はエンカウントするけどこの時期はエンカウントをさせたくない」
という場面で、この例外措置が取られるようです。
この例外措置が取られている間は、本来エンカウントが発生する
歩数を迎えても、当然敵は出ません。
しかし内部的には、エンカウントが起きたことになっているらしく、
「次にエンカウントが発生する歩数と、出現する敵パーティが変化」します。
これを利用すると、エンカウントが発生する歩数ぴったりまで歩いて
次回のエンカウントを先延ばしにしたり、敵パーティのNo.を
進めたりできます。
特に敵パーティのNo.は、普通に調整しようとすると何度も
エンカウントをしないといけないので、利用価値が大きいです。
ちなみに 2009年4月5日 に行ったRTAでは、以下のような目的に使いました。
・海賊のアジト到達前
最少歩数で洞窟に入ると 2歩 でエンカウントしてしまうので、
フィールドで余分に歩き、エンカウントを回避した
・ムーアの大森林が炎上中
最少歩数でエクスデス城まで進むと、1F~3Fでザコとエンカウントし
ジョブチェンジの手間が増えてしまうので、余分に歩き
エンカウントを回避できるようにした(城に着いてからも微調整が必要だが)
5.3 歩数がカウントされない場所
歩数がカウントされない場所には、「フロア全体でカウントされない」タイプと、
「そのマスだけカウントされない」タイプがあります。
特に「セーブポイントのある部屋」はクセモノで、一見安全地帯に思えますが、
セーブポイントの上以外ではエンカウントする部屋も存在します。
5.4 「フロア全体でカウントされない」タイプ
次の場面が該当します。
1. 町・城などの市街地
2. 一部のフィールド
3. その他の安全地帯
5.4.1 町・城などの市街地
市民が生活している市街地は、基本的に安全地帯です。
ここでは歩数がカウントされないので、歩き間違えても大丈夫です。
ただし市街地でも、ウォルス城にある「ガルキマセラのフロア」や
バル城にある「開かずの間」のように、ザコとエンカウントする場所では
歩数がカウントされます。
5.4.2 一部のフィールド
『FF5』のフィールドは、エンカウント率で言えばダンジョン以上の危険地帯です。
ただし一部のエリアでは、歩数がカウントされない「地形」が存在します。
現在確認できている場所は、次の通りです。
・第1世界 トゥール付近の海上 ※ウォルス、カルナック付近の海上は×
・第2世界 地下大河付近の平地・森
・第2世界 海底・海上
・第3世界 海底
5.4.3 その他の安全地帯
敵の出るダンジョンや、ダンジョンのように思える場所でも、
時折、歩数がカウントされないフロアがあります。
現在確認できている場所は、次の通りです。
・隕石の内外 (タイクーン・ウォルス・カルナック・ゴーン)
・クリスタルルーム (風・水・火・地)
・西の谷
・風の神殿 (1F・セーブポイント・ブロードソードの部屋)
・船の墓場 (寝室・セーブポイント)
・北の山 (セーブポイント)
・火力船 (木床の部屋・エレベーター・セーブポイント・動力室)
・カルナック城 (B4F{牢屋}・城外)
・古代図書館 (屋上・2F・1F・B1F{最初の部屋だけ}・セーブポイント)
・黒チョコボの森
・滅びの町ゴーン
・カタパルト
・上空 (遺跡外部の砲台と戦う時)
・ロンカ遺跡 (遺跡に乗りうつる時の飛空挺・セーブポイント)
・エクスデス城(偽) (1F・B1F)
・ビッグブリッジ
・地下大河 (地下に落ちる前の森)
・モーグリの森
・飛竜の谷 (セーブポイント)
・ゼザの船団
・潜水艇の中 (降りるとき)
・ギードのほこら (橋の架かった入口・B5F。第3世界でも同じ)
・バリアの塔 (潜水艇の停泊場所・2Fのセーブポイント)
・ムーアの大森林 (モーグリの巣穴・長老の木)
・エクスデス城(真) (2つのセーブポイント・エクスデスのいる13F)
・デスバレー
・長老の木
・ピラミッド (外部・2F{アスピス}・4F{マシンヘッド}・セーブポイント)
・次元のはざま (砂漠に乗りうつる時の飛空挺)
・次元のはざま (町)
・次元のはざま (図書館)
・次元城 (城外{入口付近の芝生}・牢屋・王の間)
・ラストフロア (エクスデスのいる第5区域)
5.5 「そのマスだけカウントされない」タイプ
歩数がカウントされないマスのほとんどは、「何らかの出来事が起きる」マスです。
イベントには様々な種類があり、変わったカウントをする場合もあるので、
いくつかのケースを説明します。
1. マップチェンジが起きるマス
2. イベントが起きるマス
3. イベントでキャラが移動するマス
4. その他
5.5.1 マップチェンジが起きるマス
フィールド上の「町」や「洞窟」、ダンジョン内の「扉」や「階段」が該当します。
RTAで訪れる範囲だと、マップチェンジが起きるマスは、
どれも歩数がカウントされませんでした。
また触れた瞬間にマップチェンジではなく、イベントの途中で
マップチェンジするタイプは後述の「イベントが起きるマス」になるので、
やはり歩数はカウントされません。
5.5.2 イベントが起きるマス
『FF5』では、特定のマスを踏むことでイベントが発生する場面が多くあります。
それらの「イベントマス」では、イベントが発生する初回だけでなく、
それ以降も歩数がカウントされません。
詳しくは「6.歩きかた」で説明していますが、このイベントマスは
ダンジョンでマップチェンジをする際の「歩数調整」で、とても重要です。
5.5.3 イベントでキャラが移動するマス
イベントのなかには、演出等で「キャラが移動する」ものがあります。
RTAで訪れる範囲で調べた所では、イベントでキャラが移動する場合の
「歩数」は次のようにカウントされます。
・「イベントの最中」に行われる移動では、歩数はカウントされない。
・ ただし「流砂」のマスを踏んだときの移動は例外で、
"流されはじめるマス"、 "流されて通過するマス"、 "流されて到着するマス"
それぞれで、歩数がカウントされる。
・「イベントの最中」にマップチェンジ/イベントバトルが行われる場合、
「イベント終了時」にキャラがどこに配置されても、歩数はカウントされない。
(海賊船を目撃するイベントなどが該当)
・「イベント終了時」にキャラの配置される位置が
"歩数のカウントされるマス" だった場合、イベントが終わった時に
1歩 カウントされる。
例として、海賊のアジトへ向かう途中の「洞窟2F」で発生する、
"海賊がスイッチを操作するイベント" を挙げます。
このイベントはマスを踏むと発生し、その1歩は「イベントが発生するマス」
なので、ノーカウントです。
イベントがはじまると、キャラはイベントマスから 2歩 上に移動し、
そのあと 1歩 下に移動し、イベントが終了します。
このイベントでは、イベントマスを起点に 3歩 移動が行われましたが、
実際にカウントされるのは最後の 1歩だけ という結果になります。
5.5.4 マップチェンジ地点に変化するマス
普段は触れてもマップチェンジしないが、ある時期が来るとマップチェンジする、
という変則的なマスです。
現在確認できている場所は、次の通りです。
・ムーアの大森林 うろを調べると入口に変わるマス
・ムーアの大森林 モーグリが飛び出すと巣穴に変わるマス
・次元のはざま(森) うろを調べると入口に変わるマス
5.5.5 その他
上記の4つに分類できない、特殊なケースです。
内容としては、「何らかのイベントが起きるマスの隣」が多いです。
たとえば「ぶつかるとマップチェンジするドアの隣」などです。
現在確認できている場所は、次の通りです。
・トルナ運河 水門(調べるとイベント)の下
・船の墓場 岩へ跳ぶマス(岩の方を向くと跳ぶ)
・船の墓場 ジャンプで通過するマス
・船の墓場 岩から跳んで着地したマス
・船の墓場 甲板のドア(ぶつかるとマップチェンジ)の下
・船の墓場 船を浮上させる箱(調べると船体が浮上)の左
・カルナック城(各階) 巨大な城門の下(乗ると門が開く)
・古代図書館 本棚(調べると道が開く)のハシゴ部分
・古代図書館 本棚(調べると戦闘)のハシゴ部分
・ロンカ遺跡 第4階層 壁のスイッチ(調べると階段が出現)の下
・ロンカ遺跡 第5階層 クリスタルルームの扉(乗ると扉が開く)の下
・バル城 B2F 開かずの間の扉(調べるとメッセージが出る)の下
・飛竜の谷 壁のスイッチ(調べると階段が出現)の下
・ギードのほこら 壁のスイッチ(調べると階段が出現)の下
・ムーアの大森林 木のうろ(調べると入口が出現)の下
・次元のはざま(遺跡) 鎖(調べると捕まって移動)の隣
・次元のはざま(遺跡) 鎖から着地したマス
・次元のはざま(森) 木のうろ(調べると入口が出現)の下
5.6 乗物まわりの歩数
このゲームには、海陸空と、さまざまな「乗物」があります。
乗物にはそれぞれ特徴がありますが、歩数がカウントされる仕組みだと、
2種類に分けられます。
5.6.1. 船・潜水艇
船には、海賊船・火力船・飛空挺着水時 の3種類がありますが、
歩数がカウントされる仕組みは同じです。
船と潜水艇は、置いてある位置にキャラが入ると、自動で乗り込みます。
乗るときは海で1歩あるいたことになり、降りるときは陸で1歩あるいたことになります。
潜水艇はAボタンを押すと「海上⇔海底」の切替ができますが、
これはマップチェンジと同じなので、状況によってはエンカウント位置をずらせます。
ただし、第2世界の「海上」と「海底」ではそもそも歩数がカウントされないので、
切替でエンカウントを回避する必要は、まずないでしょう。
5.6.2 チョコボ・黒チョコボ・飛竜・飛空艇
これらは、置いてある位置にキャラが入っても、自動で乗りこみません。
乗物のマスでAボタンを押すと乗りこむ方式なので、
乗物のマスへ入るときは歩数がカウントされますが、乗るときはカウントされません。
一方、降りるときの歩数は、次のようにカウントされます。
・乗物で 1歩 も移動せずに降りた場合、歩数はカウントされない。
(単に乗り降りするだけでは歩数が増えない)
・乗物で 1歩以上 移動して降りた場合、着陸時に1歩カウントされる。
(何歩移動しても1歩)
なお「6.3.4」項で説明している方法を使えば、乗降時の歩数を
カウントさせないようにもできます。
6. 歩きかた
6.1 目的を決めて歩く
「歩きかた」の前に、「歩きかたの決めかた」に関して書きます。
フィールドで「メニュー開閉」、ダンジョンで「余分に歩いてマップチェンジ」を
徹底すれば、トータルで、かなりの戦闘回数を削れます。
タイムを追求する上では、戦闘回数を削ることはとても重要です。
しかし、とにかく戦闘回数を削ればいい、というものでもありません。
RTAでは、レベル上げや青魔法習得のために、あえてザコ敵と戦う場面があります。
闇雲に戦闘回数を削ることで、目当てのモンスターが(何回か戦闘しないと)
出現しなくなってしまったら、本末転倒です。
場面ごとに目的を決め、それを果たせるよう「戦闘回数を加減する」ことが重要です。
6.2 無理のない予定を組む
メニュー開閉やマップチェンジのタイミングを間違えると、
タイミングによってはエンカウント位置が予定とずれ、
最悪の場合は修正不能になります。
「6.3.1」項で後述しますが、「移動中にメニューを開く」操作をすると
歩数をカウントさせずに移動することができ、
予定よりも歩数が増えてしまった場合に、フォローできます。
ただし「移動中のメニュー開閉」でフォロー可能なのは、
普段、この方法を使わずに歩いている場合です。
普段から使っている場合、ミスした時にこれで歩数を削ることはできません。
RTAでは予定どおり歩くことが基本ですが、
ミスをしても修正が効くよう、作戦に余裕を持たせるのが無難です。
6.3 歩数を調整するテクニック
エンカウント調整では、特殊な操作が必要になる場合があります。
ここでは、以下の「歩きかた」を説明します。
なおGBA版は 1~4 の方法で歩数のカウントを防ぐことはできません。
1. 移動中にメニューを開く (フィールド用)
2. 移動中に乗物へ乗る (フィールド用)
3. 着陸時にメニューを開く (フィールド用)
4. 移動中にキャラと話してイベントを起こす (ダンジョン用)
5. 歩数がカウントされないマスで 奇数歩 歩く (ダンジョン用)
6. 予定より歩く量を減らす (歩きミスの修正用)
6.3.1 移動中にメニューを開く
フィールドを移動中、Xボタンを押しっぱなしにしてメニューを開くと、
メニューを開く直前の1歩がカウントされずに済みます。
(危険度が上昇する前に、メニュー処理が割り込むのかも)
たとえば、普通に歩くと町の1歩前でエンカウントしてしまう
という状況で、道中のメニューをこの方法で開けば、
メニューを開く回数を増やすことなく、ノーエンカウントで町に入れます。
これはエンカウントが発生する直前でなくても使えるので、
操作ミスで予定より歩数が増えてしまった場合に、
歩数を減らしてフォローできます。
「6.2」項でも触れましたが、私は歩きミスに備えて、普段は
「移動し終わってからメニューを開く」ようにしています。
もし「移動中にメニューを開く」ように作戦を変えれば、
歩ける距離が延び、メニュー開閉の回数を減らせるかもしれません。
が、メニュー開閉にかかる時間は1回あたり 約1秒 ですから、
5回メニュー開閉を減らせても 5秒 しか縮みません。
これなら、歩きミスの保険を優先したほうがいいと思います。
6.3.2 移動中に乗物へ乗る
「移動中のメニュー開き」とノリは同じです。
フィールドで乗物のあるマスへ移動中、Aボタンを押しっぱなしにして
乗物に乗り込むと、乗る直前の1歩がカウントされずに済みます。
私の場合、歩きミスのフォローは「移動中のメニュー開き」でできるので、
乗物に乗るときは、この方法で歩数を削ります。
なお 2009年4月5日 に行ったRTAでは、エンカウント調整の都合で、
ウォルスの塔前の飛竜のみ「移動が終わってから」乗ります。
6.3.3 着陸時にメニューを開く
「5.5.2」項で触れましたが、チョコボ・黒チョコボ・飛竜・飛空艇は
降りたときに歩数がカウントされます。
しかし「移動中にメニューを開く」のと同じノリで、着陸の最中に
Xボタンを押しっぱなしてメニューを開くと、
降りたときの1歩がカウントされずに済みます。
ただし、この方法は1歩削るために
メニュー開閉が1回増えてしまうので、効率が悪いです。
6.3.4 移動中にキャラと話してイベントを起こす
移動中にAボタンを押しっぱなしにしてキャラに話しかけ、
イベントを発生させると、直前の1歩がカウントされずに済みます。
確認できたのは、古代図書館のミド(→マップチェンジ)と、
ロンカ遺跡のタイクーン王(→イベントバトル)の2つです。
「宝箱」でも実験してみましたが、これだとカウントされてしまい駄目でした。
6.3.5 歩数がカウントされないマスで 奇数歩 歩く
ダンジョンでの歩数調整に使用する、重要テクニックです。
たとえば3歩余分に歩きたい場面があったとします。
しかしマップチェンジが発生するマスは、歩数がカウントされません。
またこのゲームは「斜め移動」がないので、余分に歩こうにも、
2歩刻み(偶数歩)でしか歩けません。
(起点から1歩踏み出しても、結局は元の位置に戻るので合計2歩…)
そこで、歩数がカウントされないマスの出番です。
歩数がカウントされないマスがあれば、
そのマスに乗るときが0歩、降りるときが1歩なので、
1歩刻み(奇数歩)の調整が可能になります。
6.3.6 予定より歩く量を減らす (歩きミスの修正用)
操作ミス等で予定よりも歩数が増えてしまった場合、
「6.3.2 ~ 6.3.5」の方法で歩数を削り、予定と歩数を合わせるのが
軌道修正の基本です。
これ以外には、「余分に歩く場面で、歩く量を減らす」手もあります。
たとえば +4歩 (=4歩余分に歩く)する手前の階で
2歩 多く歩いてしまった場合、本来 +4歩 にするところを +2歩 に減らす
ということです。
ただし、「4.4 エンカウント位置のずれ方」に記載したように、
1歩のずれで、エンカウント位置が大きくずれるケースもあります。
また、エンカウントの 1歩前 にマップチェンジする予定の場面では、
歩数が増えるとエンカウントしてしまいます。
これらの修正は、あくまでも非常手段と考えるべきです。
7. おわりに
というわけで長々と書いてきました。
もともとは、RTAの自己タイムを更新するために調べたものなので、
RTAで行かない場所についてはガラ空きです。
これだと半端なので、時間ができたら追加調査を行うかもしれません。
RTA以外にも使い道があるといいなぁと思って書きましたが、
かなり使い道がなさそうです(^^